カンボジアのプレアビヒア寺院

ということで、今日の解答。
答えはプレアビヒア。表記揺れでプレアヴィヘアとなる場合もあります。


解説。

世界遺産の基礎知識

世界遺産に登録するためには、いくつかの条件があります。
前提条件として世界遺産条約に批准・締結するというのもありますが、それを抜きにして。


まずは、暫定リストの作成。
日本の場合、

が、登録したい物件・環境をリストアップしてユネスコ(国連教育科学文化機関)に提出します。
提出された暫定リストは、

に引き渡され、世界遺産としての登録に相応しいか審議されます。

こうして、最終的にユネスコ世界遺産委員会で評議され、可決した場合に成立します。


しかし、登録されたからといって油断できません。
6年に1回、保全状況の調査が入ります。
これにより、登録時の「顕著な普遍的価値」が失われたと判断された場合は、時によって登録抹消ということにもなります。
過去に登録抹消されたのは2件。

日本の世界遺産

日本が世界遺産条約に批准したのは1992年。
その翌年の93年から、日本初の世界遺産が4件登録されました。

日本には現在、16道府県・14物件の世界遺産があり、うち文化遺産が11件、自然遺産が3件あります。
また、複合遺産やいわゆる危機遺産はありません。
以下、登録順に。


また、暫定リストには現在12件登録されており、今後の登録に期待したいと思います。

カンボジアプレアビヒア寺院

さて、本題。

プレアビヒア寺院は、9世紀末〜11世紀にかけてクメール人によって建設されたという寺院です。
世界遺産委員会では、カンボジア所有の文化遺産として登録されています。

もともと、この寺院一帯は領土非確定圏だったため、たびたびカンボジアとタイが衝突しあってましたが、ハーグ・国際司法裁判所にてカンボジア領と確定していました。
しかし、寺院周囲の土地(世界遺産的に言えば「バッファゾーン」)の帰属が確定しておらず、2008年に登録された時に再び再燃。
タイ人の不法侵入があったとしてカンボジア側が身柄を拘束したことで激化してしまいました。


現在は寺院自体の立ち入りが出来ませんが、タイ・カオプラウィハーン国立公園から見ることは出来るようです。