祝日と法定名の名前

前回の解答。
答えは「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるととも『母に感謝する』でした。


以下、解説と蛇足。

祝日法(国民の祝日に関する法律)とは、その名の通り休日(旗日)を法的に定めた法律です。


もっとくわしく。
法律は一般的に第一条と第二条で、『目的』および『定義』を定めています。
この場合、

  • 『目的』→この法律を定めるに至った理由・事情
  • 『定義』→この法律内のみに適用する用語・規律

という意味が付加されています。
こうすることで、何かあった時に法律を運用する警察や弁護士などが誰が解釈しても不一致が起こらないようにしているわけです。


例えば、今回の「祝日法」では、第一条『意義』にて、こう記されています。

第一条『意義』
自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、
よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、
感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。

続いて、第二条『内容』にて「国民の祝日」の日時と法的に設置した理由を簡潔に説明しています。
今回の「こどもの日」の問題も、ここでちゃんと定めているわけですね。

第二条によると、

  • 元旦(1月1日)→年のはじめを祝う。
  • 成人の日(1月の第二月曜日)→おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。
  • 建国記念の日(政令で定める日)→建国をしのび、国を愛する心を養う。
  • 春分の日(春分日)→自然をたたえ、生物をいつくしむ。
  • 昭和の日(4月29日)→激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
  • 憲法記念日(5月3日)→日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
  • みどりの日(5月4日)→自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
  • こどもの日(5月5日)→こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
  • 海の日(7月の第三月曜日)→海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。
  • 敬老の日(9月の第三月曜日)→多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を願う。
  • 秋分の日(秋分日)→祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ。
  • 体育の日(10月の第二月曜日)→スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。
  • 文化の日(11月3日)→自由と平和を愛し、文化をすすめる。
  • 勤労感謝の日(11月23日)→勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。
  • 天皇誕生日(12月23日)→天皇の誕生日を祝う。

と、ちゃんと規定されているわけなんです。


ちょっと補足。
建国記念の日だけ「政令で定める日」になっているのは、制定した当時の政治状況が反映されています。
建国記念の日の制定なんて、違憲だ!』という野党側の対応のため、こうして日時を曖昧にしてなんとか通過させたという背景があります。


天皇誕生日は昭和時代には4月29日にありました。
これが、昭和天皇崩御とともに、祝日法が改正され、今上天皇の誕生日に変わり、その跡には「みどりの日」が入りました。
それが、『「昭和の日」を作ろうの会』なる団体によって、最終的にみどりの日が昭和の日になって、みどりの日が5月4日に移ったという経緯があります。

ということで、意外と祝日は簡単に作れたりしちゃうんですね。
まぁ、国会で承認されないといけませんがwww